先日、日本式タッチケアライフさん主催の講演会に参加しました。
講師は桜美林大学の山口創先生です。オンラインと現地受講の2形態が用意されていて、私は現地受講を選択しました。
今回のテーマはポリヴェーガル理論とタッチの科学。
書籍を読むだけでは今ひとつつかめなかった、ポリヴェーガル理論の中でのタッチの解釈を学びに行きました。
目次
ダーウィンから始まるポリヴェーガル理論
講演の始まりがダーウィンの進化論!感情と体の関係について、今まで部分的に知っていたことが「これはこういうことなのか!」と繋がり、大変興味深いイントロダクションでした。
そして本題、ポリヴェーガル理論。「ここでオキシトシンも分泌されるわけですから、ダブルで良いわけです。」に納得。オキシトシンの分泌に必要なことは、協働調整のためにも必要だったこと、そして何をしたら良いがが明確であることに、腹落ち感がありました。
お話を通して印象的だったのは、タッチは侵食的な行為であるから、触れることにこだわらない、とおっしゃっていたこと。相手との関係性が良好ではない状態でのタッチは、メリットがない可能性があることも強調されていました。そして、その「関係性」は、その瞬間に良好であるかどうか、ということ。親子でも、「叱る/叱られる」という状況にあるならその瞬間の関係性は良好ではないから、タッチは適切ではない、という判断になるわけです。
触れることは良いことが多い。でも、関係性の見極めは大切。
良い関係を築くコツも教えていただきましたので、私の講座にも反映させていきます。
心理療法と子育てへの応用
ポリヴェーガル理論の考え方を元にした心理療法と子育てへの応用のお話は、子ども理解にも役立つ内容が盛り沢山。これまでの我が子や勤務園の子どもたちの様子を思い浮かべながらヒントもいただきました。
講演の後半は、現地参加者だけが学べる、安心のスイッチを入れる触れ方講座です。
自己調整に役立つタッチと、協働調整に役立つタッチの実践の時間は、それまでの座学の緊張感が緩み、穏やかな時間でした。
今回の講座を通して、支援する大人がいい状態であることが子どもにとっての良い環境の一つなのだ
大人同士の心理的な安全性が養育環境には欠かせないのだと強く思いました。
職場での心理的安全性についてはこちらの「産業保健活動にポリヴェーガル理論を活用しよう」が参考になりました。[このチームでは、ミスをしても責められることはない]、などの心理的安全性を評価するための7項目はぜひ目を通していただきたいです。職場でも学級でも役立つはずです。
さっそく、実践。
実は今朝やらかしてしまったのです。
今朝、小5の娘が「人間関係で気まずいから学校行きたくない」と言い出したのです。
こういうことは初めてではなかったので、娘の今の人間関係における課題も念頭にあったものの、それが私の何かを逆撫でたようで、「休みたい」を受け入れられず、まるで原始脳が喋っているかのように理性に欠いたことを言ってしまいました。
さて、冷静に振り返ってみると、今朝の娘は、ポリヴェーガル理論でいう”凍りつき(青)”だったのだと思います。
行かないといけないのはわかっているけど、体が動かない。そういう状態です。
その娘に対し、何かを逆撫でられた私は交感神経優位(赤)な状態で応酬。そんな私に娘は言い返すこともできなかったわけです。こうして振り返るとほんとワタシ最悪。
こんなやりとりで、娘が「学校行こうかな」「がんばってみようかな」という発想にはならないですよね。。。
凍りつきの状態には、誰かといて安心感を得られるような環境で動けるように働きかけるのが良いのでした。
自分の沸々とした感情をなだめてから娘の元へ。
母として、女子の先輩として伝えたいことは言いつつ、言いすぎたことをごめんなさいして、あなたなら大丈夫だよと、(タッチはせず)目線と声で抱きしめる思いで伝えました。
次は「いきたくない」の段階で安心して頑張れるような関わり方が必要だと気づけたらいいな。。。
と同時に、自分の中にある「逆撫でされた何か」も癒していきたいです。
勉強になったなー、だけでは終わらなかった、一段深い実践と学びがありました。
来年も同じ時期に山口創先生の講座があるそうです!楽しみですね。

