目次
「色を効果的に使う」目的
色彩が心に与える作用を利用するのには、大きく①誰かのために使う②自分のために使う、の2つが考えられます。
何かを作る立場なら、それを見る人へどういう印象を与えたいかが、色を決める大きな方針になるでしょう。
自身が身につけるものの色を選ぶなら、色は自己表現としてのツールとして重要な役割を果たします。(結局は、それを見る人にどんな印象を与えたいか、になるのでしょう)
これらは、主に①誰かのために使うに分類されるかな。
さて、②自分のために使う、は意識したことありますか?
有彩色 vs. 無彩色 ?
「黒」は、吸い込まれてしまいそうな深い闇、底知れなさや、他を寄せ付けない印象を与えることの多い色。光を吸収する色です。
特に子どもと関わる立場の人には、あまりおすすめはしない色です。私も、保育の時間に着る服はなるべく優しい色、明るい色を選んでいるし、おすすめしています。
明るい色(有彩色)の服を着ている日は、子どもたちから声をかけられることが多い気がするから、色ってすごいな、と思わずにはいられません。
一方で、心のどこかで、「保育の時の黒はダメ」とも思っていました。でも、今は、私服も黒を着ることが増え、保育でも黒を選んで着ることがあります。
そんな風に意識が変わってきたきっかけが、一年前にありました。
喪服の黒よ、ありがとう
去年の秋に、大好きだった伯母が亡くなりました。
体調が良くないこと、入退院を繰り返しがちだったことは聞いていましたが、コロナ禍でお見舞いに行くことができず、もう2年会えていない中での訃報でした。
伯母はかつて保母さんでした。幼稚園教諭を志して、思いがブレなかったのは、伯母の存在も大きかったと思います。人生の節目節目で気にかけてくれていたし、たくさん愛してもらいました。
葬儀は本当に辛い時間でした。
HSPであることも手伝い、その場にいた家族、親戚の悲しみまでもが一気に体の中で再現されたような感覚になりました。(今も思い出すとリアルに体に蘇るので、筆…ならぬ指が思うようにすすみません)
でも、帰宅して、喪服を脱いだら、(あんまり落ち込んでいる姿を子どもたちに見せたくなかったのもあるけど)ちょっと気持ちが切り替われた気がしました。
悲しみも、喪失感も、後悔も、お線香の煙と一緒に喪服が吸い取ってくれていた。そんな感覚。
体の深いところには、辛い感情が刺さらずに済んでいる感じ。
「あー、黒に守ってもらったな。喪服が黒で良かった」そう思いました。
しんどい時には黒もアリ
それ以来、体調がすぐれない時や、気持ちにハリがない時には、保育の日も黒を着ています。
いくらか、自分のペースで子どもたちと関われるような気がします。何より、「今日の自分はこんな感じだから、無理せず行こう」と客観的に観察して、行動計画が立てられているのがいいのだと思います。
こうして黒を保育でも着られるようになったのは、それまでに子どもたちと十分にコミュニケーションを取れている自信があったからかもしれません。
そして、私以外にも、子どもたちにとって安心できる先生がいてくださることも、私が安心して黒を着られる理由です。
(だから、年度初めには意識して黒を避けています。)
たまには自分優先の色選びを
HSPは特に、自分の感情、自分の体調を後回しにしたり、気づかないふりをしたりして、限界まで誰かのために頑張ってしまう傾向にあります。
誰かのために、「こういう気持ちになってほしい」と色を選ぶことはとても素敵です。
たまには、自分の今の感情に合った色を身につけて、色をご自身の味方にしてくださいね。
身につけなくても、例えば入浴剤を色で選ぶのもおすすめです。
「入浴剤 黒」で検索したら、出てきました〜w
色は、元気な時も、落ち込んでいる時も、あなたの気持ちに寄り添ってくれます。
うまく活用して、自然体のご自分に戻る時間を作ってくださいね。